【2023年版】大学生が投資に挑戦すべき5つの理由

大学生〜30代のライフステージの早期から投資に挑戦することで得られるメリット(=理由)についての記事です。
私自身も大学1年生の冬に投資を開始→その後金融機関に就職したので実体験込みの内容です。

私が金融の世界に初めて飛び込んでからもう8年目になりますが、当時と比較して若年層の投資に対する意識は間違いなく高まっています。

当時の私は周りで誰かがやっているという話を聞かなかったので(こっそりやっていたのかもしれないが)本屋で初心者本を1冊買ったところがスタートでした。
それが今はネットでいくらでも無料で質の高い情報に触れることができます。
同時に真逆の有料で悪質な情報というとんでもない地雷を踏む可能性もありますが…

ですが、そういった玉石混交のカオスな世界に飛び込むことをオススメする理由を今回は5つご紹介します。
大学生向け、と銘打っていますが20〜30代の投資未経験の方にも参考になる部分があります。株式投資に限らずビジネスとの関連性もあるので、就活や日々の業務にもお役立てください。

目次

  1. 1.長期的な資産形成のため
  2. 2.経済・財務に関する知識の獲得
  3. ①マクロの視点:経済全体の仕組みの理解
  4. ②ミクロの視点:決算書を読む力
  5. 3.起業時の資金調達の手段の理解
  6. 4.社会課題を知る、解決に貢献する
  7. 5.投資のリスクを知る
  8. ①運用に失敗するリスク
  9. ②投資詐欺に遭遇するリスク
  10. まとめ

1.長期的な資産形成のため

長期間の投資継続によって、資産形成に有利な状況を作ることができるというのが第一の理由。

長期投資に関わることは、資産形成に有利な状況を作ることができます。基本的に世界経済は大局的な視点で右肩上がりのトレンドをずっと続けています。
長期投資はこの長期的に上昇するトレンドに乗っかって資産を増やすことを狙っていきます。
マーケットの短期的な小さな波や個別企業の業績変化による影響を受けるリスクが減少します。
これにより、投資家は将来的なリターンを期待できると同時に、安定的な資産形成が可能になります。

しかし、世界経済は長期的に上昇するということは、短期的には下落するトレンドもあるということ。
例えば2008年に起こったリーマンショックに端を発する世界的な金融危機。
この時は世界的に株式相場が大幅に下落しました。

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出典:https://media.rakuten-sec.net/articles/print/38995

このような暴落時には企業の株価が必要以上に下がることがあります。
なぜなら投資家が恐怖に駆られて持っている株を売り始め、それがさらなる売りの連鎖を巻き起こすから。

若いうちに投資を始められればこんな状況下で格安の優良株を購入できる可能性があります。割安な優良株を長い期間持つことは、その後の値戻りや経済が回復して暴落時の水準以上に成長する可能性すらあり、その時にはより大きなリターンが狙えます。2010年代のアベノミクスで成功した投資家は多数いました。彼らはリーマンショック以降の金融緩和のトレンド(市場に流通するお金を増やすことで株価を上げる)に乗って資産形成をした人々でした。

長期間投資に関与しているとこのようなチャンスを拾う回数が増えます。
【回数が増える→挑戦回数が増える、生涯での総リターンが増える】
という図式が見えてきます。

2.経済・財務に関する知識の獲得

投資によって、財務リテラシーや経済の基本的な知識を身につけることができます。
大きくはこの2点

①マクロの視点:経済全体の仕組みの理解
②ミクロの視点:決算書を読む力

①マクロの視点:経済全体の仕組みの理解

①は全体的なマクロ視点と言い換えられます。先ほどもちょっと触れた金融緩和の流れなんかも含まれます。
例えば日銀が「金利を下げる」という発表をしたとしましょう。
日銀が金利を下げるとどうなるか?

金利が下落する

お金を借りるコストが下落し銀行などがお金を調達しやすくなる

お金を借りたい企業は金利(お金を借りるコスト)が低いので、銀行などから事業を継続するためのお金を借りやすくなる

多くの企業は借金して元手を増やし事業拡大を進めやすくなる

企業の利益が増えるので、その企業の株価が上昇しやすくなる

上記のような流れを理解すると、
金利引下げのニュース→株式市場が活発になりそうだな!
という予想が立てられるのです。

このような国全体、あるいは世界的なビジネスの動向の理解が深まるというメリットがあります。新聞を読んでもこの辺りは省略されていることも頻繁にあります。なぜか丁寧に書かれることはありません。
ビジネスパーソンならみんな知ってるよね?的な前提があるから。

②ミクロの視点:決算書を読む力

②は個別の企業、あるいは自分の家計といった社会に参加している個々の経済主体の財務状況を分析する力です。いわばミクロ的視点です。
ビジネス上ではこんな会話が普通に出てきます。

「今期の決算は◯◯工場の火災があったせいで減産せざるを得ず売上が前期比80%に落ち込んだけど、新製法のおかげで製造原価を圧縮できたから粗利率は改善して、結局営業利益は前期比5%増で経常利益は3%増で着地できました。工場の火災で特損を計上したので純利益はマイナスです。」

こんな日本語なのか呪文なのか分からないことを言われて、どういうことかすんなり理解できるような力がつくといったイメージです。

この力はかなり多くの人に重要となります。
例えば経理部門の仕事をするならまさに上記の情報を載せた決算書/有価証券報告書を作っていく仕事になります。
営業であるなら、相手の会社に自社の商品を販売する際、「この会社はこの商品1億円を支払うだけの資金の余力を持っている会社か?来年以降も継続的に買ってくれるほど利益を生み出していけそうな会社か?」というのを分析するのに役立ちます。
もし自分で会社を立ち上げるならなおのこと。

入社前にこれらの金融に関する知識や分析能力を持っている新卒社員はおそらくほとんどいません。
就活時にこの辺をゴリゴリ問う会社はさすがに少ないとは思いますが、仕事が始まればこの辺の知識の有無が業務の遂行に影響してくる部分は間違いないです。

ビジネスはお金のやりとりが常につきまといます。お金まわりの知識が十分についていればそれだけ周囲との差をつけられるでしょう。

そしてこれは家計についても同じです。規模が小さいだけで皆さんの家計は決算書と同じ仕組みで構成されています。このことを理解できれば自分の家計の状態は健全なのか、それとも改善が必要なのか判断でき、そうすれば資産形成の道筋が遥かに立てやすくなるでしょう。

3.起業時の資金調達の手段の理解

やや人を選ぶテーマかもしれません。
大学生以上の皆さんなら企業の「資金調達」という言葉を聞いたことがあると思います。
要は企業(個人も)が誰かからお金を集めることなのですが、資金調達には2種類のバリエーションがあります。
・融資
・出資
の2つです。

借金は融資、株式などが関わるのが出資です。
この2つの違いを明確に区別して理解しているかがかなり重要。

ざっくり融資のメリット/デメリットを示すと

メリット :経営権を渡さずに済む
デメリット:借りた分は期限までに金利を上乗せして返す必要がある

投資のメリット/デメリットは

メリット :集めたお金を返す必要がない
デメリット:株式の割合に応じて経営権を出資者に渡す必要がある

といった感じ。

それぞれの性質に基づいた使い分けが重要です。
少し前に元レペゼン地球のDJ社長がこの件でかなり揉めたというニュースが上がっていました。

レペゼン地球騒動から学ぶ、株式会社の仕組み – ライストン税理士・社労士・行政書士事務所レペゼン地球騒動から学ぶ、株式会社の仕組みレペゼン地球DJ社長の暴露動画、「運営法人株式の過半数を保有している経理担当H氏と係争中であり、レペゼン地球の商標権が使えoffice-leistung.com

起業を目指すなら株式投資はガッツリやらなくとも、会社の設立前にこの資金調達の仕組みと関連する注意事項くらいは押さえておくべきだと思ってます。
株式投資とはまた別ですが、クラウドファンディングなんかも資金調達に含まれますので併せて理解しておくと良いでしょう。

4.社会課題を知る、解決に貢献する

投資をする上では情報収集は必須事項です。その中で出会った情報は社会課題の解決に貢献することができます。
今話題なのはESG投資やSDGs投資でしょうか。
詳細かつ簡単に読める記事があったのでご紹介します。

SDGs投資とは? 社会課題の解決と投資との密接な関係 | ZUU onlineSDGs投資とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」に積極的に取り組む企業zuuonline.com

これらは社会的な課題を解決することを目的とした投資や、環境問題に取り組むための投資と言えるでしょう。
投資によって社会的な課題を解決することを目的としています。

モラトリアム真っ只中の大学生にこそ、多様な視点を養ってほしい。
大学生のうちに投資を通じて社会的な課題を認知すること、そしてその課題の解決に向けて取り組むことは、将来的な社会貢献の手段となります。

投資は本来何かを頑張っている人を応援するためにお金を出すことであると私は思ってます。投資の元々意味に最も近いのは、実はESG投資やSDGs投資なのかもしれません。

5.投資のリスクを知る

これが一番重要かもしれません。
リスクの種類はいろいろありますが、最も重要なのが2つ。

運用に失敗するリスク
投資詐欺に遭遇するリスク

これらの存在を知ることは今後の人生を通じた資産形成をしていく上で財産になると思います。

①運用に失敗するリスク

①は簡単にイメージしやすいと思います。
主にPCやスマホなどでネットを介して取引をする際に発生するリスクと分類されるでしょうか。
株価が上がりきったタイミングで買ってしまい、その後ストーンと株価が下がってなかなか戻らず損切りをする。

あるいは、投資対象の会社や社会情勢をよく調べず、「〇〇がこの会社の株オススメだよ」と言ってたから買ってしまって結局損してしまった。そしてその人との関係が悪化してしまうなどもあるあるな話です。
※投資助言は普通の人がやってはいけませんので、自分が他人に安易に銘柄を薦める行為もしないように気をつけて!!

株ほどではなくとも緩やかながら値動きがある以上、投資信託などの金融商品も同様のリスクに晒されています。仮想通貨なら株以上ですね。
運用に失敗することも見越した上で、
「このくらいまでの損失なら許容した上でこの株を買おう」
「この損失を出したとしても自分の生活は困らないな」
などを確認した上で、自分の資産額と許容できるリスクのバランスを探りながら始めてみましょう。慣れてきたら投資額を少しずつ増やしていくのもいいかもしれません。くれぐれも生活が破綻しないように!

②投資詐欺に遭遇するリスク

②は悪質なケースです。
こちらはリアルで他者と交流する際に発生するリスクに分類されます。

投資活動を通じて資産を形成する以外にも、SNSなどで人脈を形成できます。
また投資家同士で情報交換を行うことで、様々な知識や情報を得ることができるかもしれません。
今だとTwitterなんかでは気軽に投資界隈にアクセスできますし。

その中でも最も深刻なリスクの一つが投資詐欺です。
投資詐欺は、虚偽の情報や口コミを用いて投資家からお金をだまし取る悪徳行為です。
投資詐欺には多くの種類があり、その手口は非常に巧妙です。
例えば、高いリターンを約束するが実際には存在しない投資対象を騙り、投資家から集めた資金を個人的に使用するなどの手法があります。
特にポンジスキームが有名です。

投資初心者が注意すべき投資詐欺「ポンジ・スキーム」とは? 特徴と見分け方を解説します! | ファイナンシャルフィールド最近、「詐欺事件が増えている」という話を聞いたことはありませんか? 中でも投資詐欺は、有名人や有名企業が被害に遭ったことでfinancial-field.com

これが厄介なのが、大学付近で勧誘があったり、大学生のSNSに直接DMを送ってきたりすること。
甘い言葉に乗せられて、あれよあれよという間に自分の資産を騙し取られてしまうニュースが最近目立ってきました。
また、騙されるだけならまだしも、ひどい場合は自分がその詐欺グループの一員となって他の人を騙してしまうこともあるかもしれません。

なぜ大学生は「仮想通貨」投資の儲け話に騙されるのか、情報商材トラブルも多発する背景と対策とは(高橋暁子) – 個人 – Yahoo!ニュース大学生など学生の間で、仮想通貨や情報商材の儲け話に関するトラブル相談が増えています。なぜそのような儲け話に興味関心を持ち、news.yahoo.co.jp

特に、MLM(マルチ・レベル・マーケティング)などのマルチ商法には注意が必要です。
これは製品やサービスの販売を通じて、新しいメンバーを勧誘して自分たちのネットワークを広げていくビジネスモデルです。
MLMは立ち上げメンバーたちが大きな収益を得ることができる反面、後から参加した人たちが収益を得られない場合がほとんどです。

これに対する対策としては、自分自身が収集情報を徹底することが大切です。投資家は投資先の企業や商品、サービスについての情報を入手し、その情報を総合的に判断して投資判断を行うようにする。また、悪徳な投資家や悪質な投資グループに騙されないためにも、信頼できる情報源からの情報に基づく投資を行うことが重要です。

こういうヤバい人が日本にも隠れていて、自分の資産を狙っているということを知ることは間違いなく役立ちます。怪しい儲け話に対する防御力の高さはあって困るものではないですから。

まとめ

いろいろ書いてきましたが、危険はあれど、危険を管理しながらリターンを求めて情報を集め適切なリスクをテイクしていく感覚を養うのに投資はかなり有効な手段だと思ってます。

私も最初は大学生の時に2ヶ月バイトして貯めた15万円から始めました。
「もし全部なくなってもこれは勉強代!」と割り切って挑戦を始めたことは今振り返れば本当に良かったと思います。
投資をする目的は将来の自分自身のためでも、社会に貢献するためでも、何でも構いません。自分自身のためという方が実際多いと思いますし、まずは自分のお金を増やしたいと思うことは極めて健全だと思います。
その中で自分なりの気づきや投資をする目的を見つけられればこれ以上のことはないと思います。

無理のない範囲の資金で全く構いませんので、まずは少資金でも投資をしてみてはいかがでしょうか。